今回は、工具データを NC システムに直接取り入れる方法をご説明いたします。
工具のオフセット値を NC システムに転送するには、複数の方法があります。その中には、古い CNC マシンに適しているものもあれば、ネットワークカードが搭載されている新しい CN で使用できるものもあります。
ELBO CONTROLLI NIKKEN 社のシステムは、さまざまなニーズに適しており、工場に置いてあるさまざまなタイプの CN と対話することが可能です。
本題に戻ります。エラーにならないように、工具リストにデータをダイレクトに転送する方法をみてみましょう。
最初に考えられる最も一般的な方法は、CN が読み取り、さらに解釈できるファイルを作成することです。ELBO CONTROLLI NIKKEN 社のツールプリセッタは、市販されているすべての NC システムに対応しており、新しいモデルに対しては無料でアップデートされるようになっています。
では、どうすれば適切なファイルを作ることができるのでしょうか。ご心配なく。工具リストを開いて、加工に必要な工具を測定して、ファイルを作成して、このデータを後処理して、転送したい CN を選択するだけです。
それ以降は、このファイルを作成するたびに、NC システムは既に選択されるので、さらに作業する必要はありません。もちろん、マシニングセンタでも CN 旋盤、さらに複合加工機でもこの作業を行うことができます。
ファイルを作成したら、USBや内部ネットワークを経由して、CN マシンにダイレクト転送します。このファイルは、NC システムに応じて読み込みまたは実行され、工具リストに自動で追加される単なるプログラムにすぎません。
そのため、マシン内もしくはツールチェンジャーに工具を手動でセットするだけです。.
他に、各工具に QR コード (データマトリックス) を付ける方法があります。ツールプリセッタが、このコードと工具の測定値を関連付け、マシンに装備されている指定のリーダーがデータを CN に直接転送します。
この ELBO CONTROLLI NIKKEN 社が開発したこの方法こそが TID です。この方法は、非常に安全で、オペレーターがその手に工具を持っているため、取り受ける位置を間違えることはありません。ただし、ネットワークに接続された CN マシンが必要となるため、最新の CN でのみ使用可能です。
この方法の大きなメリットは、工具を取り外せることです。これらの情報は、CN で直接読み取られ、ネットワークに保存されます。
つまり、工具の測定値と寿命が常にリアルタイムで更新されるのです。