NC システムのプログラミングにおいて、正確な加工を実現するため、工具のオフセット値の扱いに細心の注意を払う必要があります。
この記事では、ツールプリセッタを使ってどのように工具のオフセットデータを保存するかをご説明いたします。
ELBO CONTROLLI NIKKEN 社が提供するすべてのツールプリセッタで、工具はリストにして管理されており、オペレーターは測定する工具の識別するために必要なすべての情報を入手できるようになっています。
これらの工具リストは、加工を行うマシンに関連付けられており、工具リストが決定されると、次の手順で測定が実行されます。
- 測定する工具の選択
- 測定用カメラモード (固定グリッドモード、オートターゲットモード、測定凍結モード、オートフォーカスモード) の選択
- 実行した測定の確定
固定グリッドモードとは、カメラに固定された十字線が表示されるもので、測定しようとしている工具の影を中心に合わせることができます。このグリッド線があることで、最大接点 (ハイスポット) が特定しやすくなります。
オートターゲットモードではグリッド線上に、刃先の画像を配置する必要がありません。ツールプリセッタのカメラが捉えたエリア内で測定値を検出します。また、このオートターゲットモードは、工具刃先の画像に焦点を合わせる必要があります。
測定フリーズモードでは、オペレーターが焦点を合わせる必要がありません。工具がフレームインしたら、ツールプリセッタのスピンドルホルダを回転させるだけで、最大測定値を読み取ります。
オートフォーカスモード付きのツールプリセッタは、さらに使いやすく、測定機能の拡張が特徴です。オートフォーカスとは、測定のオートメーションシステムで、このモードをオンにするだけで、オペレーターが手作業で介入することなく、工具刃が自動でフォーカスされるため、測定における主観的な部分を省くことが可能になります。さらに、このオートフォーカスモードは、ツールプリセッタが完全コントロールするスピンドルホルダを回転させるだけで、刃先の測定値をすべて自動で行うことができます。最終結果は、測定された刃先のすべての数値が一覧表になっており、棒グラフで結果が分かりやすくなっています。
オペレーターは、自分で希望する測定モードを選ぶことが可能です。
カメラにはさまざまなモードがあり、それぞれが異なる技術によって測定値を取得しますが、オフセット値の測定精度に違いはありません。
固定グリッドモードとオートターゲットモードは、ELBO CONTROLLI NIKKEN 社の全ツールプリセッタに搭載されており、それ以外は選択したモデルによって異なります。